山と平地が出会うところにある、児童養護施設の改装工事。

既存施設は廊下の両側に8畳4人部屋が並ぶ大舎型の施設。２〜１８歳まで、大人と子供ほど離れた世代が同居する洗心寮。

改装での目標は、個や年齢にあった様々な場をつくる。小さな子が集まる大きな畳の部屋、ワンルーム空間の中にも個のスペースがあるベッド式の部屋、高校生にはプライベートな個室空間。

完全に閉じた空間は、人との関係を拒絶してしまう。完全に閉じなくても、寝るときやふっと一人になりたいとき、みんなと少し距離を持てる小さな自分だけの空間があるといい。

人との程よい距離があることで、自分のリズムを生まれ、自分に余裕ができ、他者との協調性、思いやりが生まれるのではないだろうか。一緒に暮らす大人の場所も、子供が気配を感じることができる身近な場所がいい。