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シトロエンハウス(岐阜県)

 

あらゆる車に接してきた施主が最後にいきついた車はシトロエン2CV。
スピード出ない。電動で動くのはワイパーのみ。もちろん空冷。ただ走る。
「これでいいのだ。」

清流のほとりに見つけた場所。
この場所でシンプルな暮らしを望む。

暑ければ窓を開ける。木陰を通り抜ける涼しい風。飛びこむ川もある。
寒ければ火を焚く。

ここにある材料、蓄積された知恵。
新しい空間を自力建設で目指す。

湿気や熱を受けとめる分厚い土壁。
断熱性があり、やわらかな杉の厚板。
地場の材料、包容力のある素材、自分で扱えるものでつくる。

この場所の特性、ここにある力。
そこから生まれてくるものをかたちにする。

清流を望む緩やかな傾斜地、モミジ・ネムノキ等のやさしい雑木、直立する杉の木立。
森に棲みついた魚のような住まい。

「これでいいのだ!」