そのひとの求める「価値」とその「場所」がもつ力をよく理解し、「その場所にしかない」魅力的な「新しい暮らし」を提案したいと考えています。

ここでは、私たちが大切にしている8つのキーワードを紹介します。

 

1 敷地全体で暮らす

 

敷地全体を生活の舞台としてとらえることが、豊かな暮らしを創造するための第一歩です。

さらに、敷地を越えてやってくる光・風・風景といった大きな環境を取り込みながら、土地を余すことなく料理します。

「暮らし」と「土地」の調和が大切です。

内部の間取りだけにとらわれないで、敷地全体を大きな家と考えて暮らしをイメージします。

2 内部と外部

 

敷地の中の内部と外部の比率はとても重要です。

これはどんな敷地にも当てはまります。

内部・外部のバランスと、内部・外部を結びつける工夫が、それぞれの空間を魅力あるものにします。

土間、掃き出しの窓、縁側、板デッキ、半外部、外の部屋、サンダル・・・。

敷地の特性を生かし、内部空間と外部空間が自由につながる計画としたいものです。

 
 

3 小さな器 大きな暮らし

 

LDK+個室+・・、家は部屋名の足し算ではありません。

小さくても開放的な空間。

開放的で変化に富んだ空間。

たくさんのいとなみが生まれる空間。

気持ちもからだも自由に飛び回れる空間。

上下左右、内から外まで暮らしを自在に解き放つ空間は心地良い。

4 暮らしが伸び縮みする

 

暮らしを内部に閉じ込めない。

活動を部屋に閉じ込めない。

冬は小さく暖かく、夏は外まで膨らんで大きく呼吸する。

四季を感じて、生き物のように伸び縮みする楽しい暮らし。

ちゃぶ台が自由に飛び回るような軽やかな暮らし。

自由自在な暮らしを受けとめる、包容力のある空間を。

 
 

5 家も伸び縮みする

 

冬は窓を閉じる。ふすまをたてる。

夏は窓を開け放つ。風を呼び込む。

板デッキに日よけをかければ外に空間がひろがる。

新緑をつけた樹の下も素敵な外の部屋。

四季の暮らしとともに、家も伸び縮みします。

伸び縮みできるゆとりが大事です。

6 家族と共に成長する家

 

必要な空間は、年月や家族構成によって、常に変化していきます。

空間を限定しないこと。

可変性を持つこと。

つくりすぎないこと。

小屋裏のフトコロ・簡単に内部化できる半外部・間仕切りや増改築に対応できる配置や構造の計画。

変化する暮らしに、段階的に対応できる仕組みや仕掛けを用意しておけばよいのです。

 
 

7 一体感のある家

 

活動を特定の場所から開放するための自由な空間。

多様な活動が共存できる、変化に富んだ豊かな空間。

小さくても吹抜けがある家。

ワンルームのような連続感がある家。

人々を迎え入れ、人々に愛される家。

家族の一体感がある家。

8 自然を楽しむ

 

風通しが良い。心地良い空気。暖かな光。

土・木・紙、柔らかな素材。

生きている緑。

光や風をうまく取り込み、そして調節する建築的な工夫で、過度に機械設備に頼らない。

周囲の環境をよく観察し、暮らしに生かす工夫を積み重ねる。

自然を受けとめ、自然を楽しむ。

 

 

四季を楽しみ、人と楽しく。

暮らしはもっと自由になれるはずです。

それぞれの「価値」を大切にして、それにぴったりの、楽しい暮らしを発見したいものです。

私たちの仕事は、そのための方法を提案することです。